多自然型護岸工かごマット

― 平張り工技術資料 ―

平張り工の適用範囲

かごマット平張り工は、主に中下流域の流れが緩やかな河川で使用され、護岸法勾配が1:2.0以上の緩勾配に適した製品です。 但し、下記条件下では適用できませんので注意が必要です。

治山、砂防、道路分野等で御使用頂く場合はこちら →ハイパーマット平張り型

  • 河川水が強い酸性を示す区間
  • 河川水の塩分濃度が高い区間
  • 河岸や河床が腐植土で構成されている区間
  • 河床材料が転石などで構成され、鉄線の損傷や磨耗の恐れのある区間
  • 施工箇所の法勾配が1:2.0未満の急な区間
  • 法面勾配1:1.0以上~1:1.5未満の場合の取り扱い(参考)

特長

  • 河川水が強い酸性を示す区間
    PH5以下の河川水が流れている区間は適用できません。
  • 河川水の塩分濃度が高い区間
    塩素イオン濃度が年平均450mg/l以上の河川水が流れている区間は適用できません。
  • 河岸や河床が腐植土で構成されている区間
    黒色有機物混じり土、泥炭層などの土壌で電気抵抗率が2300Ω・cm以下の区間は適用できません。
    1~3に該当する場合は、以下の製品をお勧めします。
    → 特殊ポリエチレン被覆かごマット
    → 高耐久性築堤マット 「リーフマット」
  • 河床材料が転石などで構成され、鉄線の損傷や磨耗の恐れのある区間
    河床が人頭大以上の玉石又は転石で構成されている区間では、鉄線が磨耗や破断する恐れがあるので適用できません。
    4の条件に該当する場合は、以下の製品をお勧めします。
    → 鋼製組立網 「ガードン」
  • 施工箇所の法勾配が1:2.0未満の急な区間
    法勾配が急な場合は、滑りに対する安定が不足する恐れがあるため適用できません。
    但し、下記2点を満足した場合は適用可能です。
    ・護岸上部において摩擦力を含めた支持機能の補強を施した構造
    ・護岸法尻部において、摩擦力を含めた支持機能の補強を施した構造
    ※ 河川堤防のドレーン工をご検討の方はこちらの商品をお勧めします。
    → かご式ドレーン工 「ドレーンロック」
  • 法面勾配1:1.0以上~1:1.5未満の場合の取り扱い(参考)
【参考適用表】
法面勾配 鉄線籠タイプ 留意事項
0.5~1.0 多段 5分に拘らず、できるだけ緩やかに
1.0~1.5 多段と張の※複合型を検討
1.5~2.0 張+すべり防止 5.施工箇所の法勾配が1:2.0未満の急な区間を参照のこと
【※複合型の概念図】

平張り工の設計

かごマットの構造検討は、かごマット施工区間の堤防や河岸に働く代表流速(Vo)を算定し、この代表流速に対応した中詰め材料の平均粒径と護岸構造を選定した後、総合的な検討により、護岸構造と適用区間の決定を行います。

かごマットの検討手順

1・代表流速(Vo)の算定
(1)設計水深(Hd)の設定
(2)粗度係数(n)の算定
(3)平均流速(Vm)の算定
(4)補正係数(α)の算定
(5)代表流速(Vo)の算定
(ア)代表流速算定の詳細
2・中詰め材料の粒径とかごマットの選定
(1)中詰め材料の平均粒径(Dm)
(2)籠の厚さの選定
(3)籠の網目の大きさと形状
(4)籠の線材の太さ(線径)
(5)籠の仕切り網の間隔と角度
(イ)かごマット選定の詳細
3・総合検討
・構造別の適用区間の決定

(ア)代表流速の算定方法

代表流速(Vo)は、平均流速(Vm) に補正係数(α)を乗じて求めます。
平均流速(Vm)の算定の流れは、以下のようになります。

(イ)中詰め材料の粒径とかごマットの選定方法

平張り工の中詰め材の粒径は、代表流速(Vo)を用い、下式により算定します。

ここに、
:法面における無次元限界掃流力

:平坦場における無次元限界掃流力(=0.10)
:中詰め材料の水中比重
:法面の傾き
:材料の水中安息角(=41°砕石想定)
:相当粗度(=2.5.Dm)
:重力加速度(m/s2)

算出した代表流速(Vo)と中詰め材の粒径を元に下表から適切なかごマットの仕様を決定します

  籠の厚さ 30cm 50cm



護岸法勾配(水平)
~護岸法勾配(1:5)
5.0m/s以下 5.0m/sを超え6.0m/s以下
護岸法勾配(1:3) 4.8m/s以下 4.8m/sを超え5.7m/s以下
護岸法勾配(1:2) 4.5m/s以下 4.5m/sを超え5.2m/s以下
※上表の代表流速は水深4m以上に適用
中詰め粒径
(平均粒径)
5~15cm
(10.0cm)
15~20cm
(17.5cm)

構造及び寸法・材質規格

かごマットは大きく分けて本体と上蓋(蓋部)に分かれます。それぞれの部材の名称、構造、鉄線の規格につきましては下図と下表をご覧ください。

構造図

籠の厚さ 30cm 50cm
網目 蓋部 6.5cm
本体部 7.5cm 10.0cm
線径 網部 蓋部 Φ4.0mm Φ5.0mm
本体部 Φ3.2mm Φ4.0mm
枠骨 蓋部 Φ5.0mm Φ6.0mm
本体部 Φ4.0mm Φ6.0mm
仕切間隔 水平部 2.0m以下
法面部 1.5m以下
タレ部 1.5m以下
側網間隔 2.0m以下
仕切の取付け角度 法面に直角 法面に直角 
但し、法勾配が1:2.0未満の
急勾配の場合は鉛直

線材の仕様

鉄線の
種類
メッキ鉄線 被覆鉄線
滑面メッキ鉄線 粗面メッキ鉄線
(蓋網専用)
メッキ
成分
アルミ10%
亜鉛90%
アルミ11%
マグネシウム2%
亜鉛87%
アルミ10%
亜鉛90%
メッキ
付着量
300g/m2以上 220g/m2以上 300g/m2以上
被覆材の品質等 - - ポリエチレン系
樹脂
押出成形法
※線材の引張強度は290N/mm2以上とする。
※鉄線籠型護岸の設計・施工技術基準(案)より抜粋

施工歩掛(参考)

平張り工の施工歩掛表を下記に示します。

下記歩掛表は上記フロー図の強調表記された部分に適用されます。

かごマット平張り工100m2当たり単価表(参考)

【厚さ 50cm】

名称 規格 単位 数量 摘要
世話役   0.8  
特殊作業員   1.2  
普通作業員   9.9  
かごマット
(平張り工)
  m2 100 厚さ 50cm
中詰用石材   m3 48.6 設計量90%
15~20cm,
K=1.08
吸出防止材 t=10mm m2 107 1tf/m,K=1.07
バックホウ
運転
排出ガス対策型・クローラ型
山積0.8m3
(平積0.6m3
h 8.2 機械労務数量
=0.14
諸雑費     4%以下
       
「平成18年度 災害復旧工事の設計要領」準拠拠

【厚さ 30cm】

名称 規格 単位 数量 摘要
世話役   0.7  
特殊作業員   0.9  
普通作業員   8  
かごマット
(平張り工)
  m2 100 厚さ 30cm
中詰用石材   m3 29.2 設計量90%
5~15cm,
K=1.08
吸出防止材 t=10mm m2 107 1tf/m,K=1.07
バックホウ
運転
排出ガス対策型・クローラ型
山積0.8m3
(平積0.6m3
h 6.3 機械労務数量
=0.14
諸雑費     4%以下
       
「平成18年度 災害復旧工事の設計要領」準拠
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